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2010/12/13(月) 武満徹トリビュート @渋谷オーチャードホール 

武満徹の映画音楽をメインに再現するという企画で一部は大友良英プロジェクト、二部は菊地成孔ペペ・トルメント・アスカラールという構成でのライブになります。

大友さんは「青い凧」の映画音楽の担当をきっかけに武満徹とお会いした事があり文通をしている縁もあったそうです。菊池さんは映画音楽として触れる機会は多かったけど特に思い入れがある訳ではないようで、一旦は今回の話を辞退したようです。

一部の大友プロジェクトでは一曲毎に編成が入れ替わり、その一曲の為に参加するアーティストも多数。一曲終わる度に大友さんがMCを取ってその合間にセッティングを変えていきます。
ウクレレをメインに据えて弦楽器の響きが美しい「どですかでん」や浜田真理子さんのボーカルをフューチャーした「○と△の歌」といったメロディ重視の曲も良かったが、何といっても即興要素の強い曲が素晴らしかった。

「乾いた花」ではタップダンサーと芳垣さんのインプロ合戦が素晴らしく、コンダクターの大友さんも途中で止めないで元の段取りより長くやってしまったよう。そして合間に入ってくるカヒミ・カリィのセリフがまた色気むんむんの気怠い女性をうまく表現していました。

一部最後は「怪談」より耳なし芳一。浪人のような風貌で模造刀を使ったおどろおどろしい田中泯さんの舞踏に、琵琶の西原鶴真さんの歌もはいり見所満載。バックの演奏が拍子・小節があるのか無いのかかなりタイム感の難しい演奏で、影の功労者はパーカションの芳垣さんと物音担当の飴屋法水さんではないでしょうか。飴屋さんは小物やダンボールなどで様々な物音を出していましたが、骨壷までも用意していたそうです。飴屋さんは自分の席からほとんど見えず残念。
大友さんの武満徹リスペクトを十二分に感じ取れる良いセットでした。

ここで15分ほど小休止。

二部はまず片山杜秀さん大友さん菊池さんの三人によるトークから。まぁ若干グダグダになりかけながら大友さんと武満徹さんの縁の話や片山さんの「怪談」を映画館で見て気絶してしまった話など興味深かったです。

トークが終わると二部の菊池成孔ペペ・トルメント・アスカラールへ。
「映画音楽はインプロOKだけど他はいじっちゃダメなんだよね」と、こちらは弦楽四重奏やバンドネオンデュオやピアノとエレピのデュオなど、楽器編成に合わせてメロディ多めのセットでした。
「コロナ」のピアノのデュオなんて、お互いの隙間を埋めるように交互に音を奏でていき最終的にはエレピで弾いていた菊地さんが生ピに行き連弾のようなスタイルでかなり前衛的な曲ですね。図形音楽に関して「戦隊物みたいな5色の楽譜からなる曲」とステージから楽譜を見せてくれるも全然見えませんでしたが。 

映画音楽にインスパイアされたというペペオリジナルの「京マチ子の夜」も演奏。
ワルツ三部作という事で著書「夢の引用」で触れている「アルファヴァイル」と「8 1/2」 と続けて「他人の顔」を演奏。「他人の顔」は原曲は知らないけどnbaba trioで見た事もあり好きな曲なので嬉しい。

アンコールでは浜田真理子さんと菊地さんのボーカルをフィーチャーして「めぐり逢い」で終了でした。まさか菊地さんがここでボーカルを取るとは思いもよらずでした。

終演予定21時40分を大幅に上回る22時10分頃終演。おそらく大友セットでインプロを長く取り過ぎたのと菊地さんがしゃべり過ぎたのでしょう(笑)。

演奏者もピットインオールスターズみたいで慣れ親しんでいる方が多数で、こういったホールで演奏を見れるのはなかなか新鮮で興味深かったです。

客層は裕福そうな年配の方から菊地ギャルのような方まで老若男女と様々。大友さんが「PIT INNみたいな段取りですいません」とか「この映画見た事ありますか?ってPIT INNみたいな振りをしちゃった」とMCで度々PIT INNが出てくるのが面白かったけど、今回の観客で行った事ある人はどれぐらいいるんだろう。

入場前に「関係者・取り置き受付」が長蛇の列になっていたので、正規にチケットが売れなくて招待・ディスカウントな人が多かったんじゃないかなと思います。S席6800円は普通に高いですよね、自分ですらこの値段でチケット買う気になったのか不思議なぐらいですよ。ほんの1,2ヶ月前の事だったけど、今だったら間違いなく他のライブの軍資金にしちゃうんで、ライブのタイミングも一期一会ですね。
席は8列目でステージは近かったけど、前の人の頭で大友さんも菊地さんも影になっちゃってコンダクターが全然見えなかったのが残念。

武満徹に関しては全く知らない素人当然ですが、今回演奏した数曲だけでも、難解な現代音楽から効果音を多用した映画音楽にメロディが美しいボーカル曲といった多彩な楽曲群にその才能の片鱗を窺えます。さすがに武満トーンがどうだという事は分かりませんが、担当した映画など見てみようと興味の幅が広がったのに感謝です。
協賛にテレビ朝日がついていたので、是非とも題名のない音楽会辺りで放映して欲しいものですね。

I 部:大友良英プロジェクト
田中泯(ダンス)、浜田真理子(ヴォーカル、ピアノ)、
ジム・オルーク(プリペアドピアノ、エレクトロニクス)、
熊谷和徳(タップダンス)、西原鶴真(薩摩琵琶)、
江藤直子(ピアノ、チェンバロ、ストリング編曲)、高田漣(スチール・ギター)、
カヒミ・カリィ(ヴォーカル)、近藤達郎(ハーモニカ、バス・クラリネット)、Sachiko M(サインウェイヴ)、パイティティ(ウクレレ)、石川高(笙)、
飴屋法水(物音)、高良久美子(パーカッション)、芳垣安洋(パーカッション)
大友良英(ギター、ターンテーブル、指揮)

II 部:菊地成孔プロジェクト
中島ノブユキ(ピアノ/編曲)、川波幸恵(バンドネオン)/林正樹(ピアノ)、
鳥越啓介(ベース)/早川純(バンドネオン)/吉田翔平(ヴァイオリン)、
楢村海香(ヴァイオリン)、菊地幹代(ヴィオラ)、徳澤青弦(チェロ)/
堀米綾(ハープ)/大儀見元(パーカッション)、田中倫明(パーカッション)/
菊地成孔(指揮、サックス、ヴォーカル、CDJほか)

セットリスト
Set1:大友良英プロジェクト
01. どですかでん
02. 燃えつきた地図
03. 乾いた花
04. 翼
05. ○と△の歌
06. 怪談より「耳無し芳一の話」

Set2:菊地成孔プロジェクト
01. 枯葉
02. ピアニストのためのコロナ
03. 「砂と女」と「怪談」のオマージュ
04. クロス・トーク
05. 武満トーン wtih マンボ
06. 京マチ子の夜
07. 「アルファヴィル」より「Valse Triste」
08. 「8 1/2」より「E Poi(Valzer)」
09. 他人の顔
10. LA., New York, Paris, Roma, Helsinki
アンコール
11. めぐり逢い

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